表札の匠、店長の下條です。
10月16日と22日午後~23日午前中に今年の台風15号で床上床下浸水を被った静岡市清水区へ災害ボランティア活動に行って来ました。
現在、一般ボランティアは地元住民しか募集をしていないので、NPO法人「愛・知・人」さんの一員として技術系ボランティア枠で参加をさせていただきました。
10月16日
ベタ基礎の住宅の排水作業
ベタ基礎とは、お家の基礎の一つで、基礎全体を鉄筋コンクリートで作る方式です。
新しい住宅には、多い工法です。
丈夫なので、重量のある家をしっかりと支えることができますが、全体がコンクリートで覆われているので土の地面が無く、水が溜まると抜けにくいというデメリットがあります。
とてもきれいなお家でしたが、床下に水がかなり溜まっていて、それをバキューム吸引器で吸い出す作業でした。
バキューム吸引器は、掃除機のようなかたちですが、ペール缶に水が溜まる仕組みになっていて、一杯になったら空のペール缶と交換して、泥水を外に捨てに行きます。
今回は、水の量が多かったので二人が床下で吸引器の操作、二人が缶の交換と水捨てと4人がかりで作業をしました。
布基礎の住宅の泥出し
布基礎は、ベタ基礎と違って、基礎の立ち上がり部分だけ(厳密にはもっと太い部分が地中に埋め込まれている)がコンクリートで、他の部分は地面が見えている構造です。風通しが良く、昔から使われている工法です。
最初のお家のお向かいさんでした。
私は、少し手の空いた時間に手伝ったのですが、床下の砂利の上に、まだ厚く湿った泥がたまっていて、その泥の運び出しも少しさせていただきました。まだ、泥が水分を沢山含んでいて完全な除去ができないため、サーキュレータを床下にセットして、その日は終了でした。
10月22日~23日
裏山に登る急坂の側溝が詰まったため坂道が川のようになって、水が流れ込み床上浸水してしまったお家の床剥がしをさせてもらいました。
本格的にバールを使って床を剥ぐ作業は初めての経験で、バールの使い方、泥の地面に下りてしまうと大引きや根太が泥に汚れてしまうので、大引きの上に乗って作業をすることなどを教えていただき、大変勉強になりました。
23日は、床下浸水のお家、その住民さんが点検口から床下に潜ってみたものの、奥まで進むことができず、泥や水が溜まっているかどうかが心配ということでのご依頼でした。
床下の間仕切りが少し複雑だったため、私も中継として潜らせていただきました。
泥の厚みは5mm程度で、しっかりと乾燥していたため、4人でできるだけ奥まで入って泥をとって終了となりました。
清水区の災害ボランティア活動を終えての印象
今回、長時間の作業をしたわけでは無く、所見などというのもおこがましいのですが、
台風15号による静岡県の災害ボランティア活動は、まだ始まったばかりという印象のわりに、被害に多様性があるという感じでした。
ニュースなどであまり報道されませんが、被害件数は(被害の程度は違いますが)真備のように多いとみられています。 ただ、内水氾濫で、床下浸水もすぐに引いたため、被災者の方々も被害の程度を図りかねているという雰囲気でした。
また、さかんに報道されている悪徳宗教団体のことが心配で、ボランティアを家に入れたくないという方も多いと言われています。
発災から約一ヶ月、ようやく災害ボランティアセンターに住民さんからの要望が集まってきているようで、ますます人手が必要になると思われます。
私も寒くなってオートバイで高速道路を走れなくなる前にもう一度、参加したいと思います。